近年人気が高まっているマウスピース矯正は、透明で目立ちにくく、従来のワイヤー矯正に抵抗があった方にも選びやすい治療法です。
しかし、いざマウスピース矯正を検討し始めると、気になるのが値段のこと。他の矯正方法との費用の違いや、治療効果に疑問を抱く方は少なくありません。
この記事では、マウスピース矯正にかかる費用の目安や、医院を選ぶ際のポイントを解説します。
- 治療範囲で大きく変わるマウスピース矯正の値段について
- マウスピースの種類と値段比較
- マウスピースの費用を抑える方法
マウスピース矯正の値段相場

マウスピース矯正は、口腔内の状態によって治療方針や費用が異なります。
また、マウスピースの種類や医院によっても料金プランはさまざまなため、事前に見積もりを確認することが重要です。
まずは、全体矯正と部分矯正の値段の目安を確認してみましょう。
全体矯正
全体矯正は、奥歯を含むすべての歯並びを整える矯正治療です。噛み合わせ全体を改善できるため、見た目だけでなく機能面(咀嚼・発音など)の改善にもつながります。
- 対象範囲が広い:
前歯だけでなく奥歯まで動かすため、口全体のバランスを整えられます。 - 矯正装置の種類が多い:
ワイヤー矯正、マウスピース矯正など、症状や希望に応じて方法を選択可能。 - 治療期間が長い:
一般的に2〜3年ほどかかるケースが多く、部分矯正よりも時間を要します。
全体矯正の費用は、使用する装置や医院によって異なりますが、相場は約60万〜100万円前後です。追加で調整料や保定装置の費用がかかることもあります。
全体矯正のメリット・デメリットは以下のとおりです。
- 噛み合わせを根本から整えられる
- 顔全体のバランスや印象が改善される
- 後戻りしにくく、長期的に安定しやすい
- 治療期間が長く、通院回数も多くなる
- 費用が高額になりやすい
- 一時的に発音や食事に支障が出ることがある
部分矯正
部分矯正は、前歯などの気になる部分だけを整える矯正治療です。
笑ったときに目立つ歯並びを改善したい人や、軽度の歯列の乱れを整えたい人に適しています。
- 対象範囲が限定的:
- 一般的には前歯6本ほどの範囲で行うことが多い。
- 短期間で効果を実感しやすい:
全体矯正よりも歯の移動距離が短いため、数ヶ月〜1年程度で完了することも。 - 目立ちにくい装置も選べる:
マウスピース矯正や裏側矯正など、見た目に配慮した方法も選択可能。
部分矯正の費用は、使用する装置や治療範囲によって異なりますが、相場は約20万〜50万円前後です。全体矯正に比べて費用を抑えられる点が魅力です。
部分矯正のメリット・デメリットは以下のとおりです。
- 治療期間が短く、通院負担が少ない
- 費用を抑えられる
- 軽度の歯並びの乱れをピンポイントで改善できる
- 対応できる症例が限られる(噛み合わせのズレや重度の歯列不正には不向き)
- 全体のバランスが崩れる可能性がある
- 見た目重視で噛み合わせ改善が目的ではない場合が多い
ワイヤー矯正との費用の違い
ワイヤー矯正は、複雑な治療が必要な症例にも幅広く対応できるのが特徴です。
一般的な矯正費用の目安は60万円〜150万円程度となっており、60万円~100万円で受けられるマウスピース矯正の方がより安く抑えられる傾向があります。
医師と相談しながら、自分に最適な矯正方法を検討することが重要です。
マウスピース矯正は食事やスポーツをする時間だけ外すことができる上、透明で気づかれにくいことが大きなメリットです。一方、装着時間が短いと効果を実感しにくいため、取り外しの自己管理ができる人向けの治療法といえるでしょう。
マウスピース矯正の流れと工程ごとの費用内訳

マウスピース矯正にかかる費用を検討する際は、治療の流れや各工程でどのような費用が発生するのかを把握しておくことが大切です。
これから、マウスピース矯正の一般的な流れと、段階ごとの費用の内訳を確認してみましょう。
- 治療開始前にかかる費用
- 治療中にかかる費用
- 治療終了後にかかる費用
- プラン料金に含まれない費用
1.治療開始前にかかる費用
マウスピース矯正を開始するにあたり、まずは精密検査と診断が行われます。
歯の状態を正確に把握し、適切な治療計画を作成するための工程です。虫歯や歯周病がある場合は、先にこれらの治療を行います。
ここでの主な内容は、カウンセリング・精密検査・治療などで、一般的な費用の目安は5万円ほどです。
2.治療中にかかる費用
精密検査の後は、診断内容をもとにオーダーメイドのマウスピースが作成されます。
矯正期間中は、通常1〜3か月に一度のペースで歯科医院に通院し、状態チェックや新しいマウスピースの受け取りなどを行います。
マウスピースの制作費用は、治療方針やブランドによって異なりますが、60万円〜80万円ほどかかります。
3.終了後にかかる費用
矯正終了後は、保定装置(リテーナー)を装着することで歯の後戻りを防ぎます。
保定装置には、取り外しが可能なマウスピース型や、固定式ワイヤー型などが用いられるのが一般的です。
保定装置の作成費用の目安は、無料〜5万円ほどとなっています。
4.プラン料金に含まれないもの
マウスピース矯正では、一部の費用がプラン料金に含まれないケースがあります。
プラン料金に含まれない費用の例として、通院ごとの調整料があげられます。1〜3か月に一回の頻度で、5千円〜1万円程度の調整料が発生します。
料金プランは、歯科医院や選択するブランドによってさまざまなため、事前に確認しましょう。
マウスピース矯正中に追加で費用がかかるケース

マウスピース矯正の治療計画は、精密な検査をもとに立てられますが、想定通りに進まないこともあります。
その際、追加で費用がかかる可能性がある点に留意しておかなければいけません。これから、追加費用の代表例を解説します。
虫歯や歯周病の治療
多くの場合、マウスピース矯正中の虫歯や歯周病の治療は、基本料金には含まれません。
矯正期間中に虫歯などの治療が必要になった場合、追加で費用が発生することを念頭に置いておく必要があります。
日頃の丁寧な歯磨きや定期検診によって虫歯リスクを減らすことが重要です。
虫歯予防の手段の一つとして、フッ素を塗布する方法があります。フッ素塗布の効果や適切な頻度については、こちらの記事でも解説していますので参考にしてみてください。

マウスピースの破損・紛失
矯正中に使用するマウスピース(アライナー)を紛失、または破損させてしまった場合、マウスピースを再製作するための追加費用がかかります。
再製作の費用は歯科医院やブランドによって異なりますが、一般的には数万円程度かかります。
外出時は専用の保管ケースを携帯するなど、マウスピースの取り扱いには十分注意しましょう。
治療期間の延長による追加コスト
歯の動き具合には個人差があるため、予定よりも矯正期間が長引く場合があります。
また、マウスピースの装着時間の不足によって、計画通りに治療が進まないケースも珍しくありません。治療期間が延長された場合、調整料などの追加費用が発生する可能性があります。
スムーズに治療を進め、追加コストを抑えるためには、医師の指示をしっかり守ることが重要です。
マウスピース矯正の主な種類とブランドごとの値段比較

マウスピース矯正には、さまざまなブランドがあり、値段や特徴が異なります。
下記の表に、それぞれのブランドについて一覧でまとめました。ぜひ参考にしてみてください
| ブランド | 費用目安【部分矯正】 | 費用目安【全体矯正】 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| インビザライン | 30万円〜60万円 | 70万円〜120万円 | ・世界的にシェア率が高い ・幅広い症例に対応 |
| クリアコレクト | 25万円〜50万円 | 65万円〜100万円 | ・豊富な症例に対応 ・フィット感の高いマウスピース |
| キレイライン | 20万円〜45万円 | ー | ・前歯の軽度な矯正に特化 ・比較的安価で短期間 |
| アソアライナー | 20万円〜40万円 | ー | ・国内製マウスピース矯正 ・比較的軽度な症例に対応 |
| hanaravi(ハナラビ) | 30万円〜45万円 | 60万円〜80万円 | ・比較的に低価格 ・オンラインによるサポート対応 |
| Oh my teeth | 33万円〜 | 66万円〜 | ・リーズナブルな価格を実現 ・原則オンライン診療 |
| DPEARL | 20万円〜40万円 | 50万円〜80万円 | ・AI分析による経過観察と精度向上 ・比較的リーズナブル |
| ウィスマイル | 20万円〜50万円 | 60万円〜90万円 | ・カスタムメイドのマウスピース ・比較的幅広い症例に対応 |
| Zenyum | 20万円〜40万円 | 50万円〜70万円 | ・比較的リーズナブル・オンラインサポートが充実 |
自分の歯並びが治療対象になるか、治療期間や通院頻度が明確かを確認しましょう。費用や保証内容もブランドによって異なりますので、詳細まで把握しておくことが大切です。
マウスピース矯正の支払い方法

マウスピース矯正の主な支払い方法として、現金一括払い・都度払い・クレジットカード払い・デンタルローンなどがあげられます。
なお、医院によっては、独自の分割システムを用意している場合もあります。手数料はそれぞれで異なるため、事前に確認することが重要です。
マウスピース矯正では、費用が高額になるケースがあるため、自分の経済状況を把握した上で、最適な支払い方法を検討するようにしましょう。
マウスピース矯正の費用を安く抑える方法

マウスピース矯正は、比較的高額な治療になるため、少しでも費用を抑えたいと考える方は少なくありません。
これから、矯正費用を抑える方法を紹介します。それぞれ確認してみましょう。
医療費控除
一定の条件を満たすことで、マウスピース矯正にかかる費用を医療費控除の対象として申請できる場合があります。
具体的な条件としては、機能的な問題の改善を目的とした矯正治療の場合です。美容目的の場合は、原則として医療費控除の対象にはなりません。
医療費控除額の計算やその他の詳しい情報は、下記の国税庁のページで確認できます。
参考:国税庁医療費控除を受ける方へ|令和6年分 確定申告特集
モニター制度
一部の歯科医院やマウスピース矯正ブランドでは、治療経過のデータ提供や写真撮影などに協力することで、治療費が割引になるモニター制度を設けている場合があります。
モニターの募集期間や適用条件、割引額などは医院やブランドによって異なるため、公式サイトを確認してみるとよいでしょう。
【補足】歯列矯正は基本的に保険適用外
一般的に、見た目の改善を目的とした歯列矯正では保険が適用されません。
一方で、外科的な手術を伴う矯正治療や、一定の条件を満たす症例では保険適用の対象になるケースがあります。
いずれの場合も、まずは歯科医院で相談するところから始めてみましょう。
厚生労働大臣により咬合異常であると認められた場合のみ保険が適用されます。判断に迷ったときには、かかりつけ医に相談することをおすすめします。
参考:公益社団法人 日本矯正歯科学会|矯正歯科治療を始められる方へ
理想に合うマウスピース矯正を検討しよう

この記事では、マウスピース矯正の平均的な値段や費用の内訳、治療の流れを解説しました。
マウスピース矯正は、ブランドや歯科医院によって料金が異なっており、治療方針や対応可能な症例もさまざまです。
矯正治療を考える際は、複数の歯科医院でカウンセリングを受けた上で、値段や長く着用して生活することを考えたうえで、自分の希望に合うものを比較検討することをおすすめします。
費用や治療期間など、不安なことがある場合は、まずはお近くのクリニックに相談してください。


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