「笑うとすきっ歯が目立って、思いっきり口を開けられない」
「食べ物が挟まりやすくて、食事が楽しめない」
歯と歯の間に隙間ができてしまうすきっ歯について、コンプレックスやお悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。
すきっ歯は大人になってからでも、子どもでも、原因に応じた適切な治療を受けることで改善が期待できます。
この記事では、すきっ歯になってしまう原因を詳しく解説するとともに、大人と子どもそれぞれの治療法の選択肢、費用の目安、そして放置した場合のリスクまで、気になるポイントを紹介します。
- すきっ歯になる先天的な原因と後天的な原因
- すきっ歯を放置した場合のリスク
- 具体的なすきっ歯の治療法の選択肢とそれぞれの費用・期間の目安
- 子どものすきっ歯で歯科医院に相談すべきケースと自力で治すことの危険性
すきっ歯はチャームポイント?治療は必要?

すきっ歯は、見た目の問題だけでなく、口の健康を考えると治療を検討した方が良い場合があります。
- 歯と歯の間に目立つ隙間ができる。
- あどけなさや親しみやすさを与える。
- 発音が不明瞭になったり、サ行・タ行で空気が漏れたりすることがある。
- 食べ物が隙間に挟まりやすく、虫歯や歯周病のリスクが上がる。
- フロスが通りやすく、隙間に舌が触れやすい。
海外では「笑顔が可愛い」「印象的で素敵」と捉えられることも多く、周りからは魅力的な個性として映っていることも珍しくありません。
しかし、歯と歯の間に隙間があると、正常な歯並びと比べて食べ物が挟まりやすく、虫歯や歯周病になるリスクが高まります。
また、隙間から空気が漏れて発音がしにくくなったり、噛み合わせのバランスが崩れて将来的に他の歯へ負担がかかったりする可能性も指摘されています。
個性やチャームポイントとして愛せる一方で、健康上のデメリットもあるため、気になる方は一度専門の歯科医師に相談してみましょう。
すきっ歯の主な原因【先天性・後天性】

すきっ歯の原因は、一つではありません。
主に、生まれながらの骨格や歯の大きさなどが関係するケースと、生活習慣や癖によって後から隙間ができてしまうケースに分けられます。
自身の状況と照らし合わせながら、すきっ歯になってしまった原因を探ってみましょう。
生まれつきのすきっ歯の5つの原因
子どもの頃から前歯の隙間が気になっていたという方は、持って生まれた身体的な特徴が原因かもしれません。
自身のケースはどれに当てはまるのか、一つずつ詳しく見ていきましょう。
歯と顎のバランスが悪い
生まれつきのすきっ歯の一般的な原因は、顎の大きさと歯のサイズのアンバランスです。
歯が並ぶための顎のアーチが広くても、そこに生える歯が小さいと、スペースが余ってしまいます。
その結果、必然的に歯と歯の間に隙間が生まれてしまいます。
特に、上の前歯の中央2本の間に隙間ができる「正中離開」として現れることが多くあります。
前歯にできる隙間は1〜2mmほどになることもあり、笑った時に目立ちやすいため気にする方も多いでしょう。
また、矮小歯(わいしょうし)と呼ばれる小さめの歯が生えている場合や、隣接する歯とのサイズ差が大きい場合も、歯列の並びが不均一になり、部分的に空隙ができやすくなります。
顎と歯のバランスの不一致は遺伝的要素が強く、親から顎の大きさや歯の形・サイズを受け継ぐことで現れることが少なくありません。
すきっ歯は見た目だけでなく、発音や噛み合わせに影響を及ぼす可能性があり、矯正治療やラミネートベニアによる補綴などが効果的な改善策となります。
歯の本数が少ない先天性欠如
生まれつき永久歯の本数が足りない先天性欠如も、すきっ歯の原因の一つです。
本来生えてくるはずの歯がないため、歯列にスペースができてしまい、そのまま隙間となります。
「乳歯が抜けたのに、なかなか次の歯が生えてこない」という方は、先天性欠如が考えられるかもしれません。
本来歯があるべき場所がそのまま空いてしまうと、犬歯や小臼歯の間など、特定の歯と歯の間だけに隙間ができる「局所的離開」の原因になることもあります。
心配な方は、一度歯科医院でレントゲンを撮って確認してみましょう。
埋まっている余分な歯がある
生まれつき歯の本数が多い「過剰歯(かじょうし)」も、すきっ歯の意外な原因になります。
特に上の前歯の真ん中の骨の中に余分な歯が埋まっていると、前歯がくっつく際の物理的な障害物になります。
そのため、左右の前歯は中央に寄れず、間に隙間ができてしまうのです。
骨の中に埋まっている余分な歯は自身で気づくことが難しく、歯科医院のレントゲン検査で初めて見つかるケースも少なくありません。
原因不明の前歯の隙間にお悩みの方は、一度検査を受けてみることをおすすめします。
上唇小帯が発達異常を起こしている
生まれつきのすきっ歯は、上の唇の裏側にある「上唇小帯(じょうしんしょうたい)」という筋が原因の場合があります。
上唇をめくった時に見える中央の筋が上唇小帯ですが、筋が通常よりも太かったり、歯に近い位置まで長く伸びていたりすると、前歯の間に入り込んでしまいます。
筋が物理的な壁となって左右の前歯がくっつくのを邪魔し、結果として前歯の中央に隙間ができる「正中離開」を引き起こすのです。
子どもの場合は成長とともに自然に改善することも多いため、すぐに心配する必要はありません。
永久歯が生えそろっても隙間が気になるようであれば、一度歯科医院で相談してみましょう。
遺伝による骨格や歯の形質
すきっ歯の原因の一つに、遺伝が関係している場合があります。
両親や親戚にすきっ歯の方がいる場合、骨格や歯の形質が似て、同じような歯並びになる可能性があります。
歯並び自体が直接遺伝するというよりは、顔立ちが似るように、顎の骨格や歯の大きさ・形などの特徴が遺伝するのです。
たとえば、顎がしっかりしている骨格と、小ぶりな歯の両方を受け継ぐと、歯が並ぶスペースが余ってしまいます。
その結果、歯と歯の間に隙間ができやすくなります。
大人になってからすきっ歯になった原因
若い頃は気にならなかったのに、最近歯の隙間が目立ってきたと感じる方もいるでしょう。
すきっ歯は、大人になってから後天的に発生するケースも少なくありません。
以下では、大人になってからすきっ歯になる原因を紹介します。
指しゃぶりや舌で歯を押す癖がある
「昔は気にならなかったのに、すきっ歯になってきた」という場合、無意識の癖がすきっ歯を引き起こしているかもしれません。
後天的な原因の中でも多いのが、舌で前歯の裏側を押してしまう「舌癖(ぜつへき)」です。
舌は非常に力が強く、食事の時や何気ない瞬間に毎日歯を押し続けることで、歯は少しずつ外側へ傾いてしまいます。
その結果、前歯の中央に隙間ができる正中離開が引き起こされるのです。
長年の指しゃぶりの癖も同様のメカニズムで歯並びに影響を与えます。
- 舌の正しい位置を覚える
- 舌や口周りの筋肉を鍛える口腔筋機能療法を行う
- 無意識に舌で歯を押す癖を直す
- 口を閉じて正しい舌の位置に舌を置く習慣をつける
- 食事でよく噛んで口周りの筋力を維持する
無意識の癖はご自身で気づきにくいため、もし心当たりがあれば一度歯科医院で相談してみることをおすすめします。
口呼吸をしている
大人になってからのすきっ歯は、無意識の口呼吸が原因かもしれません。
本来、舌は上顎にぴったりとつき、歯並びを内側から支える役割をしています。
しかし、口呼吸が習慣になると舌の位置が下がり、行き場をなくした舌が代わりに前歯を押すようになります。
毎日かかる持続的な力が歯を少しずつ動かし、出っ歯やすきっ歯を助長してしまうのです。
- 鼻呼吸を意識して行う
- 舌の位置を上顎につける練習をする
- 口にテープを貼って寝る
- 口周りの筋肉を鍛えるトレーニングを行う
- 正しい呼吸法を身につけるため、腹式呼吸やストロー呼吸の練習をする
鼻で呼吸する意識を持つことが、すきっ歯の進行を防ぐ第一歩になります。
歯周病が進行している
歯周病の進行は、大人になってからすきっ歯を引き起こす原因の一つです。
歯周病は、歯を支える大切な土台である顎の骨を溶かしてしまう病気です。
家の土台が弱ると建物が傾くように、骨という支えを失った歯は噛む力に耐えきれなくなり、特に前歯が扇のように開いてしまうフレアーアウトという状態になることがあります。
これが、すきっ歯や出っ歯を引き起こすのです。
- 歯茎が赤く腫れている
- 歯磨きや刺激で歯茎から出血する
- 口臭が強くなる
- 歯茎が下がり、歯が長く見える
- 歯がぐらぐら動く感じがする
- 歯茎から膿が出ることがある
- 噛むと歯や歯茎に痛みを感じる
- 歯と歯茎の間に深い隙間ができる
歯並びの変化だけでなく、将来大切な歯を失わないためにも、心当たりがあれば一度歯科医師のチェックを受けてみることが重要です。
虫歯や抜歯後を放置している
虫歯で歯が欠けたり、抜歯したスペースをそのままにしたりすることも、すきっ歯の原因となります。
虫歯が進行して歯が大きく削られたり、抜歯したまま補綴せず放置したりすると、空いたスペースを埋めようとして隣の歯が傾いたり移動したりします。
その結果、歯列全体のバランスが崩れ、前歯の間に隙間ができるなど、すきっ歯の状態が目立つようになります。
でしょう。また、抜歯後に歯槽骨が痩せると周囲の歯の支えが弱まり、歯の位置がさらに動きやすくなる
さらに、虫歯や抜歯部位を清潔に保たないと炎症が広がり、歯周病が進行して骨が吸収され、歯の動揺や隙間の拡大につながります。
虫歯や欠損を放置することは、口元の見た目だけでなく、かみ合わせや咀嚼機能にも悪影響を及ぼすため、早期に適切な治療を受けることが大切です。
すきっ歯は骨格や癖、歯周環境など複数の要因が重なって起こるため、ご自身の習慣や口の使い方を見直すことが予防と改善の第一歩になります。
歯科医院への相談を検討すべき子どものすきっ歯

子どもの前歯のすきっ歯は、多くの場合、永久歯が生えるためのスペースであり、成長とともに自然に閉じていくことが一般的です。
しかし、なかには歯科医院での相談を検討した方が良いケースもあります。
以下では、歯科医院へ相談を検討すべき子どものすきっ歯について解説します。
永久歯が生え揃っても隙間が閉じない場合
犬歯を含めたすべての永久歯が生えそろう12歳〜13歳頃になっても前歯の隙間が閉じない場合、自然に治る可能性は低いため、一度歯科医院に相談することをおすすめします。
通常は、後から生えてくる犬歯に押されることで自然に閉じていきます。
しかし、永久歯がすべて生えそろっても隙間が残っているのは、顎と歯の大きさのアンバランスや指しゃぶりなどの癖など、何か別の原因が隠れているサインかもしれません。
原因を特定して適切な対応を知るためにも、この時期が一つの相談の目安になります。
上唇小帯が明らかに歯の間に入り込んでいる場合
子どもの上唇をそっとめくって、中央の筋が歯茎の頂点を越え、前歯と前歯の間にまで入り込んでいる場合は、一度歯科医院に相談することをおすすめします。
上唇小帯と呼ばれる筋が生まれつき太かったり、歯に近い位置まで伸びていたりすると、物理的な壁となって前歯が閉じるのを邪魔し、すきっ歯の原因になることがあるためです。
赤ちゃんの頃は太くても正常で、多くは成長とともに自然に改善されます。
しかし、永久歯が生え始めても筋が歯の間にしっかり残っている場合は、歯並びへの影響も考えられるため、歯科医師に見てもらうと安心です。
子どものすきっ歯には成長による自然な経過とそうでない場合があるため、日々の変化を観察し、気になる点があれば原因を見極める視点を持つことが大切です。
すきっ歯を放置する4つのリスク
すきっ歯を放置する4つのリスクが画像を見て分かるように画像作成していただきたいです。
内容:虫歯・歯周病になる、発音に影響が出る、しっかり噛めない、顎関節症になる可能性があること
早い段階で歯科医師に相談するべき!というような文言も入れていただきたいです。
すきっ歯はチャームポイントと捉えられることもありますが、放置すると見た目以外にもあらゆる問題を引き起こす可能性があります。
具体的に、歯と歯の隙間が、口の健康や日常生活にどう影響するのでしょうか。
以下では、すきっ歯を放置することのリスクを紹介します。
虫歯・歯周病になる可能性がある
すきっ歯を放置するリスクは、虫歯や歯周病になりやすくなることです。
歯と歯の間に隙間があると、食事の際に食べ物の繊維などが挟まりやすくなります。
挟まった食べかすは歯ブラシだけでは取り除きにくく、口の中に残り続けることで、虫歯菌や歯周病菌の温床となってしまうのです。
細菌は食べかすをエサに増殖し、歯を溶かす酸を出したり、歯茎に炎症を起こしたりします。
- 正しい歯磨きを毎日行う
- デンタルフロスや歯間ブラシで歯と歯の間の汚れを除去する
- マウスウォッシュを併用して口内の細菌を減らす
- 定期的に歯科検診を受け、プロのクリーニングや歯石除去をする
- 寝る前は食べ物を控え、口内細菌の繁殖を防ぐ
すきっ歯は見た目だけの問題と思われがちですが、口の健康を長く保つためには、清潔な状態を維持しやすい歯並びであることがとても重要です。
発音に影響が出る可能性がある
歯と歯の間に隙間があると、話すときに空気が漏れてしまい、狙った通りの音を作りにくくなります。
前歯の隙間から空気が漏れるため、とくに「サ行」「タ行」など舌と歯の位置が重要な音が不明瞭になりやすく、言葉がはっきりしなくなるのが典型的な症状です。
また、隙間によって舌の位置が安定せず、唇や舌先で音を作る際に余分な空気が抜け、滑舌が悪くなることもあります。
日本語では「サ」「シ」「ス」「セ」「ソ」などで違和感が出やすく、英語では「th」の発音が難しくなるケースもあります。
また、相手に何度も聞き返されることが続くと、話すこと自体がストレスになることもあるでしょう。
発音のクセは一度身につくと矯正後も改善しにくい場合があるため、早期に治療を受けることが大切です。
しっかり噛めない
すきっ歯を放置すると、食べ物をしっかり噛み砕く咀嚼の効率が落ち、体に負担をかけてしまう可能性があります。
たとえば、食事の際に麺類が歯の間をすり抜けて噛み切れなかったり、繊維質な野菜がうまくすり潰せなかったりすることがあります。
歯と歯の間に隙間があると、噛む力が正しく伝わらず、食べ物を効果的に捉えることが難しくなるのです。
その結果、食べ物を十分に細かくできないまま飲み込むことになりがちで、胃や腸に負担がかかり消化不良を招く原因にもなります。
すきっ歯は見た目だけでなく、毎日の食事と健康に直結する大切な問題といえます。
顎関節症になる可能性がある
すきっ歯による噛み合わせの乱れは、長期的に顎関節に負担をかけ、顎関節症を引き起こす可能性があります。
歯と歯の隙間によって咬み合わせが乱れると、上下の歯が均等に接触せず、一部に過度な負担が集中します。
その結果、片側だけで噛む癖がついたり、舌や唇で無意識に隙間を補正しようとしたりして、顎関節や咀嚼筋に不自然な力がかかります。
不自然に力がかかることで、顎関節に負担を蓄積させ、「口を開けるとガクガク音がする」「顎が痛む」「大きく口が開けにくい」などの顎関節症の症状につながります。
さらに、噛む力が一部に集中すると歯や歯槽骨にダメージが及び、歯の動揺や歯列のさらなる乱れを招く悪循環に陥ることもあります。
歯並びの問題が、顎全体の不調を招くこともあるため、顎が開きにくいような症状があれば早めに歯科医師に相談しましょう。
すきっ歯の治療法・費用・期間を徹底比較

すきっ歯の治療には、ご自身の希望やライフスタイルに合わせていくつかの選択肢があります。
すきっ歯の主な治療方法は、以下のとおりです。
| 治療法 | 費用 | 期間 |
|---|---|---|
| ワイヤー矯正 | 30万~100万円 | 1年半~3年 |
| マウスピース矯正 | 10万~120万円 | 1年半~3年 |
| 補綴治療 | 3〜18万円(本数・素材により変動) | 1日〜3ヶ月 |
以下では、費用や期間、見た目の違いなど、それぞれの特徴を詳しく比較していきましょう。
ワイヤー矯正
ワイヤー矯正は、歯を動かしてすきっ歯を根本的に治す、最も歴史があり信頼性の高い治療法です。
歯の表面か裏側にブラケットという小さな装置を取り付け、そこにワイヤーを通して継続的に力をかけることで、歯を少しずつ動かして隙間を閉じていきます。
ワイヤー矯正の種類は、以下のとおりです。
| 種類 | 特徴 | 費用 | 期間 |
|---|---|---|---|
| 表側矯正 | 最も一般的で費用を抑えやすいが、装置が目立つ。 | 60~100万円 | 1年半~3年 |
| 裏側矯正 | 歯の裏側に装着するため、外からは見えない。 | 80~150万円 | 2年~3年 |
| 部分治療 | 前歯など気になる部分だけを治療。期間が短く費用 | 30~70万円 | 3ヶ月~1年 |
幅広い症例に対応できるのがメリットですが、装置の見た目が気になることや、他の方法に比べて費用や期間がかかる場合があります。
マウスピース矯正
マウスピース矯正は、透明で目立ちにくい装置を使い、すきっ歯を治療する方法です。
見た目を気にせず矯正を進めたい方に特に選ばれています。
マウスピース矯正では、一人ひとりの歯型に合わせて作られた透明なマウスピースを、1〜2週間ごとに新しいものに交換しながら装着します。
少しずつ形の違うマウスピースを付け替えていくことで、歯を段階的に動かし、隙間を閉じていく仕組みです。
取り外しも可能なため、食事や歯磨きが普段通りに行えるのも大きなメリットです。
マウスピース矯正は、全体矯正と部分矯正の2種類に分けられます。
| 種類 | 特徴 | 費用 | 期間 |
|---|---|---|---|
| 全体矯正 | 噛み合わせを含め、歯列全体を動かす。 | 60~120万円 | 1年~3年 |
| 部分矯正 | 前歯の隙間など、気になる部分のみを対象とする。 | 10~40万円 | 3ヶ月〜1年 |
ただし、1日20時間以上の装着時間を守る自己管理が、治療を計画通りに進めるうえで重要になります。
補綴(ほてつ)治療
補綴治療は、歯を動かす矯正とは異なり、詰め物や被せ物を使って短期間ですきっ歯の見た目を改善する方法です。
歯の表面を少しだけ削ってセラミックを貼り付ける方法や、プラスチックを盛り足して隙間を埋める方法などがあります。
補綴治療の種類は、主に以下のとおりです。
| 種類 | 特徴 | 費用 | 期間 |
|---|---|---|---|
| ラミネート ベニア | 歯の表面にセラミックの薄片を貼る。 | 5万~18万円 | 1ヶ月~3ヶ月 |
| ダイレクト ボンディング | プラスチックで隙間を埋める。 | 3万~5万円 | 1日 |
| セラミック クラウン | 歯全体にセラミックの被せ物をする。 | 8万~18万円 | 1ヶ月~3ヶ月 |
治療が1日から数ヶ月で完了するのがメリットです。
しかし、健康な歯を削る必要があったり、人工物であるため将来的にやり替えが必要になったりする可能性も考慮する必要があります。
自作の矯正は危険!やってはいけない理由

自作の装置を使って歯を動かすことは、取り返しのつかない事態を招く危険性があるため避けてください。
- 歯や顎の骨に対して無理な力が加わり、歯が抜け落ちたり、歯根が露出してしまうことがある。
- 不適切な力のかけ方で歯の移動方向が誤り、かえって歯並びや噛み合わせが悪化する。
- 歯周組織に過度な負担がかかり、炎症や感染症を起こす場合がある。
- 自作や自己流の矯正は痛みや腫れを適切に管理できず、健康被害が拡大することがある。
- 失敗によって歯科専門治療の負担や費用がかえって高くなる可能性がある。
専門知識のないまま歯に不適切な力を加えると、歯の根が溶けて短くなったり、歯茎が下がり元に戻らなくなったりする深刻なダメージを与えます。
最悪の場合、歯がぐらぐらになって抜け落ちてしまう危険性さえあります。
また、見た目だけを気にして歯を動かすと、全体の噛み合わせが崩壊し、顎の痛みや頭痛など、かえって新たな問題を生み出すことにもなりかねません。
歯並びの悩みは自分で解決しようとはせず、必ず専門の歯科医師に相談してください。
すきっ歯の治療費の負担を軽くする方法

すきっ歯の治療は、基本的に保険適用外の自費診療となるため、費用が高額になりがちです。
しかし、経済的な負担を少しでも軽くするための制度や支払い方法がいくつか存在します。
すきっ歯の治療を諦める前に、以下のような選択肢を検討してみることをおすすめします。
- 医療費控除を活用する
- デンタルローンや分割払いを利用する
以下では、それぞれの方法について詳しく解説します。
医療費控除を活用する
すきっ歯の治療費は、医療費控除の対象となる可能性があり、確定申告をすることで税金の一部が戻ってくる場合があります。
「見た目を良くしたい」という美容目的の治療は対象外ですが、「噛み合わせが悪くて食事がしづらい」「隙間から息が漏れて発音がしにくい」などの機能的な問題を解決するための治療であれば、医療費控除が認められる場合があります。
自分では見た目の悩みと思っていても、歯科医師の診察によって治療が必要な「不正咬合」と診断されることは少なくありません。
まずは歯科医師に相談し、自身のすきっ歯が治療目的と診断されるか確認してみましょう。
デンタルローンや分割払いを利用する
デンタルローンや分割払いを利用すれば、まとまったお金がなくても、月々の負担を抑えながらすぐにすきっ歯治療を始められます。
矯正治療は高額になりがちですが、デンタルローンを使えば治療費を分割で支払うことが可能です。
クレジットカードの分割払いよりも金利が低いことが多く、支払い回数も柔軟に設定できるため、月々の返済額を数千円からに抑えることもできます。
また、歯科医院によっては金利や手数料のかからない院内分割に対応している場合もあります。
経済的な理由で治療を諦める前に、まずは歯科医院で利用できる支払い方法について相談してみるのがおすすめです。
すきっ歯に関するよくある質問
最後に、患者さんから特によくいただく質問とその回答をQ&A形式でまとめました。
すきっ歯の治療を検討する際の参考にしてください。
すきっ歯の治療後、後戻りすることはありますか?
すきっ歯の治療後でも、歯の後戻りは起こります。
矯正治療で動かした直後の歯はまだ安定しておらず、何もしないと元の位置に戻ろうとします。
後戻りを防ぐには、治療後に「保定装置(リテーナー)」を指示通りに使うことが重要です。
また、舌で前歯を押す癖などが残っていると再発しやすいため、注意が必要です。
どのくらいの隙間から治療を考えた方がいいですか?
すきっ歯の治療を始めるべき隙間の大きさに、明確な決まりはありません。
一般的に2mm以上の隙間が治療の一つの目安とされています。
しかし、それ以下でも見た目がコンプレックスになっていたり、食べ物が挟まる、発音がしにくいなど、日常生活で不便を感じていたりする場合は、治療を検討する十分な理由になります。
まずは自身がどう感じているかを大切にし、気になるようであれば専門の歯科医師に相談してみましょう。
すきっ歯を自力で治す方法はありますか?
すきっ歯を自力で治すことは危険なため、絶対にやめてください。
輪ゴムや指で無理に力を加えると、歯の根や歯茎を傷つけ、最悪の場合は歯が抜けてしまうおそれがあります。
また、全体の噛み合わせが崩れるなど、かえって状態を悪化させる危険性が高いです。
安全で確実な治療のために、必ず専門の歯科医師に相談しましょう。
すきっ歯は自然に治る?
すきっ歯は、多くの場合は自力で治せません。
子どもの場合、乳歯から永久歯への生え変わりや顎の成長によって一時的に隙間ができても、永久歯が大きく生え揃う過程で自然に閉じることがあります。
ただし、すべてのケースで自然に閉じるわけではないため注意が必要です。
また、大人になってからのすきっ歯は自然に改善することはほとんどありません。
歯が小さい、歯の本数が少ない、上唇小帯の異常、歯周病による骨の減少など原因が複雑で、放置すれば隙間が広がるリスクもあります。
自然治癒を期待せず、矯正治療や補綴治療など専門的な方法での改善を検討することが望まれます。
すきっ歯の原因を知って適切な治療法を選ぼう

すきっ歯は、先天的な骨格や歯の大きさ、癖、口呼吸、歯周病などのさまざまな原因により起こります。
すきっ歯は見た目の問題だけでなく、放置すれば虫歯や歯周病のリスクが高まり、発音や咀嚼、顎関節にも影響を及ぼす可能性があります。
治療には矯正や補綴など複数の方法があり、子どもは成長とともに改善することもありますが、隙間が残る場合は早めの受診が安心です。
すきっ歯を改善して健やかな口元を保つためにも、適切なケアを行い、早期に歯科医師へ相談しましょう。
記事監修:あずさ歯科クリニック麹町 院長 児島 梓 先生

2010年に岡山大学歯学部を卒業後、岡山大学予防歯科学講座に所属。その後、大阪の歯科クリニックで分院長を務めるなど臨床経験を積み、埼玉県・東京都内のクリニック勤務を経て、2023年4月に「あずさ歯科クリニック麹町」を開設。
豊富な臨床経験に加え、インビザラインや矯正歯科、インプラント治療、審美・補綴領域に至るまで幅広い研修・専門コースを修了。最新の知識と技術の習得に積極的に取り組み、精密かつ安心できる歯科治療を患者様に提供する。
単に症状を治すだけではなく、生活習慣や根本原因にアプローチし「将来にわたって口腔の健康と美しさを維持できること」を重視した診療姿勢は、多くの患者様から高い信頼を集めている。
経歴
経歴
- 2010年 岡山大学歯学部卒業
- 2011年 岡山大学予防歯科学講座
- 2013~2021年 大阪のクリニック勤務(分院長経験)
- 2021~2022年 埼玉県・東京都内のクリニック勤務
- 2023年4月 あずさ歯科クリニック麹町開設
資格・所属学会
資格・所属学会
- インビザラインコース受講
- 宮島矯正コース受講
- ストローマンインプラントベーシックコース受講
- EXDI6ヶ月コース受講
- SJCDレギュラーコース受講


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