「子供の歯並びを治療してあげたいけれど、費用面でなかなか踏み切れない」
「子供の歯科矯正で利用できる補助金制度があれば知りたい」
子供の歯科矯正について、このような悩みを抱く人は少なくないでしょう。歯並びの問題は見た目だけではなく、咀嚼機能や発音、虫歯などさまざまなリスクに関わります。
こうしたリスクや、子供の将来のことも含めて歯科矯正を検討する際は、補助金や医療費控除などの制度を理解しておくことが重要です。
本記事では、子供の矯正治療の際に利用できる可能性がある補助金制度について解説します。
- 子供の歯科矯正で利用できる補助金制度について
- 子供の歯科矯正の費用目安
- 補助金以外で費用を抑える方法
子供の歯科矯正に補助金は使える?まず確認すべき3つの制度と利用条件

一般的に、歯科矯正は自由診療になるため、公的な補助金が直接支給されるケースはあまりありません。
一方で、特定の条件を満たす場合には、間接的に費用負担を軽減できる可能性があります。これから、歯列矯正の治療を受ける際に利用できる可能性がある制度を3つ解説します。
健康保険や自治体の乳幼児・子ども医療費助成制度
一般的に、歯科矯正は見た目(審美性)の改善を目的とした自由診療とされるため、健康保険は適用されません。
ただし、以下のような特定の疾患や症状が原因で行う矯正治療は、保険が適用される場合があります。
- 唇顎口蓋裂(しんがくこうがいれつ)
- 顎変形症(がくへんけいしょう)
- その他、厚生労働省が定める先天的な疾患 など
また、自治体によっては、乳幼児や子どもを対象とした医療費助成制度を設けている場合もあります。
ただし、これらの制度は保険診療にのみ適用されるため、自由診療の矯正費用は対象外となります。
助成の内容や対象年齢、自己負担額などは自治体によって異なるため、お住まいの自治体の窓口や公式サイトで事前に確認しておきましょう。
保険適用となる矯正治療を希望する場合は、保険診療の指定医療機関(顎口腔機能診断施設)での受診が必要です。まずは、かかりつけの歯科医院や矯正専門医に相談してみるとよいでしょう。
医療費控除の活用
医療費控除は、1年間(1月1日〜12月31日)に支払った医療費が一定額を超える場合に利用できる制度です。控除の金額については、下記の計算方法で算出されます。
(1年間に支払った医療費の合計−保険金などで補てんされる金額)−※10万円
※所得の総額が200万円未満の場合は総所得額の5%(参考:医療費控除について|国税庁)
一方で、審美性を目的とした矯正治療の場合は、原則として医療費控除の対象にならないため注意が必要です。
主に機能的な改善や治療上必要と判断された場合に、医療費控除の対象になります。また、交通費や通院費なども対象になる可能性があるため、忘れずに記録しておきましょう。
医療費控除の対象になる交通費は、原則公共交通機関のみです。そのため、自家用車の駐車場代やガソリン代は対象外です。また、医療費控除の申請は自分で行う必要があります。
(参考:No.1122 医療費控除の対象となる医療費|国税庁)
高額療養費制度の活用
1か月に医療機関や薬局で支払った自己負担額の合計が一定額を超えた場合、超えた分が払い戻される制度が「高額療養費制度」です。
この「一定額」は、年齢や所得によって異なり、それぞれの条件に応じて上限額が決められています。還付される金額は、この上限を超えた分となります。
ただし、高額療養費制度の対象となるのは保険診療分のみです。
見た目の改善を目的とした自由診療(例:審美目的の歯列矯正)は対象外となるため、注意が必要です。
制度の詳しい内容や申請方法は、加入している公的医療保険(例:健康保険組合、国民健康保険など)の窓口や公式サイトで確認できます。
高額療養費制度は、申請を行うことで払い戻しが受けられます。多くの場合、診療を受けた月の2〜3か月後に健康保険組合などから案内が届くため、内容を確認して手続きを進めましょう。
子供の歯科矯正費用はいくらかかる?

子供の歯科矯正費用は、治療の開始時期や歯並びの状態、治療方法などによって異なります。
ここでは、子供における一般的な矯正費用の目安と、治療内容による費用の違いを解説します。
小学生〜中学生の矯正費用の目安
一般的に、子供の歯科矯正では、顎の成長を利用する「1期治療」と、永久歯が生えそろった後に行う「2期治療」の2段階に分けられます。
段階ごとの費用目安は、それぞれ以下の通りです。
| 治療段階 | 年齢目安 | 治療目的 | 費用目安 |
| 1期治療 | 6歳〜12歳頃 | 顎の成長誘導 永久歯が正しく生えるスペースの確保 悪癖の改善など | 20万円〜40万円程度 |
| 2期治療 | 12歳頃〜 | 永久歯の歯並びや噛み合わせの改善・治療 | 50万円〜100万円程度 |
上記の費用はあくまで目安であり、クリニックによって治療方針や料金体系はさまざまです。その他、診断料や調整料、保定装置料などが別途でかかる場合があります。
子供の歯列矯正を検討の際は、それぞれの状況や症例における治療費について、総額を確認しておくことが大切です。
治療の年齢目安はあくまで目安であり、個々の成長発達や歯並びの状態によって異なります。早期治療を受けることで将来の治療が簡単になる場合もあるため、子どもの歯並びについて気になることがあれば一度歯科医師に相談しましょう。
(参考:子供の矯正歯科治療:いつ始めるのがベスト?|大阪大学歯学部付属病院)
症状・装置による費用の違い(マウスピース・ワイヤー矯正)
歯科矯正では、治療方法や使用する装置、症状の程度によっても費用は異なります。治療法ごとの費用目安は、以下の通りです。
| 矯正方法 | 特徴 | 費用相場 | 適応症例 |
| マウスピース矯正 | 透明で目立ちにくい 取り外しが可能 | 60万円〜100万円程度 | 軽度〜中程度の歯並びの乱れ |
| ワイヤー矯正(表側) | 歯の表面に装置を装着 幅広い症例に対応 | 60万円〜120万円程度 | ほぼすべての症例に対応可能 |
| ワイヤー矯正(裏側) | 歯の裏側に装置を着用 目立ちにくい | 100万円〜150万円程度 | 軽度〜重度の症例に対応 |
| 部分矯正(マウスピース・ワイヤー) | 気になる部分のみを矯正期間が短い傾向 | 20万円〜50万円程度 | 部分的・軽度なガタつきに対応 |
マウスピース矯正は、クリニックや選択するブランドによっても費用が異なります。いくつか候補を用意した上で、比較検討してみるとよいでしょう。
いずれの場合も、子供の症状や希望を考慮した上で、歯科医師に相談することが大切です。
補助金以外に費用を抑える2つの方法

一般的に、歯科矯正は自由診療に分類されるため、補助金や保険制度を利用できないケースが多いのが実情です。
その上で、補助金や保険以外で費用を抑える方法を2つご紹介します。
分割払い
一つ目は、医院ごとに独自で設定している分割制度です。多くのクリニックでは、まとまった支払いの負担を軽減するために、分割払いに対応しています。
クリニックによっては、金利や手数料を無料にしているケースもあるため、こうした制度を上手に活用するのがおすすめです。
一方で、手数料の有無や分割回数の制限などは医院ごとに異なります。分割を希望する場合は、支払い制度について事前に確認するようにしましょう。
クリニックによっては、院内分割のほかに、デンタルローンなどの外部ローン会社と提携している場合もあります。どちらの方法が自分に合うか、支払い総額・金利・期間などを比較して検討するとよいでしょう。
医療ローン
二つ目が、歯科医院が提携している信販会社を利用して、医療ローン(デンタルローン)を組む方法です。
一般的に、分割払いと比較して支払い回数を多く設定できます。できる限り月々の支払い額を抑えたい場合に有効な方法です。
金融機関による審査があるため、必ずしも利用できるとは限りません。また、金利や手数料が発生するため、総支払額が多くなる点にも留意が必要です。
一般的にクレジットカードの分割よりデンタルローンのほうが金利や手数料を抑えやすい傾向にあります。カウンセリングの際には利用可能な支払い方法についても確認しましょう。分割払いを検討する際は、事前に返済計画をシュミレーションすることが大切です。
中学生以上・高校生でも使える補助金や保険はある?

歯科矯正における補助金や保険適用の基準は、子供の年齢が上がっても基本的には変わりません。中学生・高校生以上の場合でも、原則として歯科矯正は自由診療の扱いになります。
その上で利用できる可能性がある制度として、前述同様に以下の方法が挙げられます。
- 公的医療保険による診療
- 自治体の医療費助成制度
- 医療費控除
前述の通り、特定の疾患や条件に該当する場合は、保険が適用される可能性があります。
また、保険治療においては、高額療養費制度や医療費控除の対象になる可能性がある点も、念頭に入れておくとよいでしょう。
いずれの制度においても、自身のケースが該当するか気になる場合は、クリニックで相談するのがおすすめです。
子供の歯科矯正に関するよくある質問
ここでは、子供の歯科矯正に関して、保護者が抱きやすいよくある質問をご紹介します。
お金がないで諦めない!子供の歯科矯正の費用はクリニックで相談しよう

本記事では、子供の歯科矯正で利用できる可能性がある補助金や、保険・医療費控除などの制度について解説しました。
一般的に、歯科矯正は自由診療に分類されるため、健康保険や補助金の対象にはなりません。一方で、特定の条件を満たす場合には、一部の制度を利用できる可能性があります。
なお、いずれの制度も対象外の場合には、分割払いや医療ローンを活用することで、月々の費用負担を軽減できるかもしれません。
「お金がないから…」と諦めてしまう前に、まずは現在の状況や費用面のことも含めて、クリニックに相談してみることが重要です。


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