マウスピース矯正に興味はあるものの、「本当に自分に合っているの?」「やってみて後悔しない?」と不安に感じている人も多いでしょう。
マウスピース矯正は目立ちにくく、日常生活の負担になりにくい点がメリットです。しかし、始める前に知っておきたいデメリットも存在します。
本記事では、マウスピース矯正の7つのデメリットをはじめ、失敗しないためのポイントを解説します。
- マウスピース矯正のデメリット・注意点
- マウスピース矯正のメリットとおすすめな人
- マウスピース矯正とワイヤー矯正どちらがおすすめか
マウスピース矯正とはどんな治療?

- 少しずつ形が異なるマウスピースを約2週間ごとに交換する
- 透明のポリウレタン樹脂製で目立ちにくい
- 1日20時間以上の装着が必要
- 費用は60万~100万円程度かかる(保険適用外)
マウスピース矯正とは、少しずつ形が異なるマウスピースを順番に装着することで、徐々に歯を移動させる治療法です。通常、マウスピースは約2週間ごとに新しいものへ交換し、計画的に歯列を整えていきます。
主に透明のポリウレタン樹脂で作られており、装着中に目立ちにくいことがメリットである一方、効果を得るためには1日20時間以上の装着が必要になります。
保険適用外となるため、60万~100万円程度の費用が全額自己負担となります。
マウスピース矯正の7つのデメリット|「やめたほうがいい」と言われる理由

多くのメリットがあるマウスピース矯正ですが、治療を検討する上では理解しておきたいデメリットも存在します。
- 一部の症例では対応が難しい
- 歯ぎしり癖がある人には不向きな場合がある
- 紛失・破損しやすく追加費用がかかる可能性がある
- 歯を削るケースがあるので注意が必要
- 歯根の露出など骨への影響リスク
- 装着時間が長く自己管理が欠かせない
- 手入れ不足で虫歯や口臭の原因になる
それぞれの項目について、詳しく解説していきます。
一部の症例では対応が難しい
マウスピース矯正は万能ではなく、対応できない症例もあります。
- 抜歯が必要
- 顎の骨格に問題がある
- 子供の矯正
抜歯を伴う矯正は歯の移動距離が長くなるため、強い力をかけられるワイヤー矯正で行われます。
顎の骨格に問題がある不正咬合の場合は、マウスピース矯正だけでは改善が難しく、外科的処置が必要になる場合もあります。
また、成長過程の子どもは、歯の位置や顎の形が変化しやすいことから、精密なコントロールが難しいとされるマウスピース矯正は適していません。
マウスピース矯正が適切かどうかは、必ず歯科医師に相談した上で判断しましょう。
歯ぎしり癖がある人には不向きな場合も
歯ぎしりの癖がある人は、マウスピース矯正に注意が必要です。
矯正用マウスピースは薄く作られているため、歯ぎしりによる強い圧力が加わると、破損するリスクがあります。特に、睡眠時の歯ぎしりを気にしている人は、睡眠時に適したマウスピースを使う必要があります。
歯ぎしり癖を自覚している人は、マウスピース矯正を始める前に必ず歯科医師へ相談し、治療方針を慎重に検討してもらいましょう。
歯ぎしりがある人には、矯正用マウスピースの破損リスクがあるため、就寝時には「ナイトガード」の使用を検討しましょう。歯ぎしり癖を自覚している場合は、矯正開始前に歯科医師へ相談し、適切な治療計画を立てることが大切です。
ナイトガード:
歯ぎしりや食いしばりによる歯への負担を軽減するために装着する厚みのある保護用マウスピースで、矯正用とは用途が異なります。

紛失・破損しやすく追加費用がかかる可能性も
マウスピース矯正はマウスピースの取り外しが自由にできる分、紛失や破損のリスクが高くなります。
外食時に紛失してしまったり、ペットがくわえて壊してしまったりといったトラブルも少なくありません。
万が一紛失や破損が起こった場合は、再度作成する必要があり、数万円程度の費用がかかることもあるため、注意が必要です。
マウスピースを外した際は、必ず専用ケースに入れることを習慣化しましょう。
歯を削るケースがあるので注意
歯を移動させるスペースを確保するために、マウスピース矯正では「ディスキング」が行われることがあります。
ディスキング:
歯が並ぶためのスペースを作ることなどを目的に、歯と歯が接している側面を専用の器具でごくわずかに削る処置の一つです。
歯列矯正治療において、歯をきれいに並べるためのスペースが足りない場合などに行われることがあり、歯を抜く代わりの選択肢となる場合があります。
ディスキング自体に、痛みや虫歯になるリスクはないとされていますが、歯を削ることに不安を感じる人も少なくありません。
不安を感じた場合は、担当の歯科医師に十分な説明を求め、自分に合った治療計画かどうかを確認しましょう。
ディスキングで削るのは、歯の最も外側にあるエナメル質のごく一部のみで、神経に達するような深さではありません。
そのため、処置中に痛みを感じることはほとんどなく、麻酔も不要なケースが一般的です。エナメル質には再石灰化という自然修復力もあるため、丁寧に行えばリスクも低く、安心して受けていただける処置です。
歯根の露出など骨への影響リスク
マウスピース矯正で歯の移動を精密にコントロールするのは難しいため、矯正力がうまく伝わらない場合があります。
これにより、歯が適切な方向に動かなかったときに歯茎が下がってしまい、歯根が見えてしまう可能性があります。本来は隠れている歯根が露出した場合、知覚過敏や虫歯といった症状が発生する可能性も否定できません。
こうしたリスクを避けるためには、信頼できる歯科医師のもとで、一人一人に合った治療計画を立てることが大切です。
治療後も定期的な検診と保定装置の使用により、後戻りや歯ぐきトラブルを防ぐことができます。
装着時間が長く自己管理が欠かせない
マウスピース矯正で効果を得るためには、1日20時間以上の装着が必要とされています。つまり、食事や歯磨きのとき以外は、常にマウスピースをつけている状態が理想です。
これを毎日守り続けるには、高い自己管理能力が不可欠になります。装着時間が不足してしまうと計画通りに矯正治療が進まず、結果として治療期間が延び、さらには予定外の追加費用も発生するかもしれません。
マウスピース矯正が、自分にとって無理のない治療法かどうかを、よく考えてから取り組むことが大切です。
手入れ不足で虫歯や口臭の原因になる
マウスピース矯正は長時間にわたって口の中に装着するため、入念な手入れを怠ると雑菌が繁殖しやすくなり、虫歯や口臭のリスクが高まります。
最初は面倒に感じるかもしれませんが、マウスピースはこまめに洗浄することが大切です。
マウスピースの基本的な洗浄方法は、次の通りです。
- 使用後すぐにぬるま湯で洗浄する
- 指でやさしくこすって汚れを落とす
- 汚れが残る場合は専用の洗浄剤を使う
- しっかり乾燥させて保管する
このとき、熱湯での洗浄や硬い歯ブラシの使用は、マウスピースを傷める原因となるため避けましょう。
マウスピース矯正はメリットも多い!おすすめな理由

マウスピース矯正はデメリットばかりでなく、多くのメリットもある治療法です。
ここからは、マウスピース矯正のおすすめポイントとして、以下の5つを紹介します。
- 安い・通院頻度が少ない
- 自然な見た目で目立たない
- 金属アレルギーの人でも治療可能
- 痛みが少ない・口内炎などトラブルが少ない
- 日常生活や食事の制限がない
安い・通院頻度が少ない
マウスピース矯正は、ワイヤー矯正と比較して安価な場合が多く、通院頻度も少ないことが特徴です。さらに、治療期間もマウスピース矯正の方が短い傾向にあります。
しかし、口の中の状態や使用するマウスピースの種類によって、費用や通院頻度は変わる可能性があります。
ただし、歯並びや噛み合わせの状態によっては、ワイヤー矯正の方が適している場合もあります。
治療前に見積もりやスケジュールをしっかりと確認し、自分に合ったものを選ぶようにしましょう。
自然な見た目で目立たない
マウスピース矯正の最大のメリットともいえるのが、透明で目立ちにくいことです。
ワイヤー矯正では、金属の矯正装置が歯の表面に取り付けられるため、どうしても見た目に影響が出てしまいます。
しかし、マウスピース矯正であれば装着していることに気づかれにくく、審美性に優れているため、イベントや記念日を控えたタイミングでも治療を進めやすいでしょう。
金属アレルギーの人でも治療可能
マウスピース矯正は、金属アレルギーがある人も取り組める治療法です。
ワイヤー矯正では金属製の矯正装置を使用するため、金属アレルギーを持つ人には適さないケースがあります。
一方、マウスピース矯正には金属が使用されていないため、金属アレルギーのリスクを心配することなく治療を受けることができます。
なお、ワイヤー矯正にも非金属素材を使ったタイプはありますが、強度と費用の観点において課題があるのが実情です。
痛みが少ない・口内炎などトラブルが少ない
マウスピース矯正は、約2週間ごとに形の異なるマウスピースに交換して、歯の移動を段階的に進めます。急激な圧力がかからずに済むため、一般的には痛みが少ないといわれています。
従来のワイヤー矯正では、金属製の矯正装置が歯茎や粘膜に直接触れて、口内炎などの原因になることがありました。
一方、マウスピースは滑らかな素材で設計されており、口腔内に負担をかけにくいため、トラブルが生じにくくなっています。
痛みや口腔内トラブルが不安で矯正治療に踏み出せない人も、マウスピース矯正なら前向きに検討できるでしょう。
日常生活や食事の制限がない
マウスピース矯正では取り外しが自由にできるため、日常生活における制限がほとんどなく、食事や歯磨きも普段通りに行えます。
ワイヤー矯正の場合は、矯正装置が歯に固定されているので、破損を防ぐために硬いものや粘着性の高い食べ物を避けなければなりません。
また、矯正装置に食べ物が挟まりやすく歯磨きもしにくいことから、虫歯や歯周病のリスクも高まりやすくなります。
日常生活への影響を最小限に抑えながら矯正治療を行いたい人にとって、マウスピース矯正は魅力的な選択肢となるでしょう。
マウスピース矯正とワイヤー矯正はどっちがおすすめ?

ここでは、マウスピース矯正とワイヤー矯正の違いを9つの視点で比較し、一覧表にまとめました。
| 項目 | マウスピース矯正 | ワイヤー矯正 |
|---|---|---|
| 見た目 | 目立ちにくい | 目立ちやすい |
| 自己管理 | 必要 | 不要 |
| 食事制限 | なし | あり |
| 仕上がり | 調整しにくい | 調整しやすい |
| 痛み | 感じにくい | 感じやすい |
| 費用 | 60万~100万円程度 | 60万~130万円程度 |
| 通院頻度 | 1~3か月に1回程度 | 1か月に1回程度 |
| 治療期間 | 1~2年程度 | 2年程度 |
| おすすめの人 | ・歯並びの乱れ具合が軽~中程度の人 ・装着時間を守れる人 ・こっそり矯正治療をしたい人 ・普段通りに食事や歯磨きをしたい人 | ・歯並びの乱れ具合が重度の人 ・顎の骨格に問題がある人 ・装着時間を守れそうもない人 ・矯正装置の見た目が気にならない人 |
上記ではおすすめの人もまとめていますが、あくまでも目安の一つとしてください。
どちらの矯正方法が適しているかは、歯並びや口腔内の状態によって変わる場合があります。歯科医師の診断にもとづいて治療を進めるようにしましょう。
マウスピース矯正で失敗しないためには

ここでは、マウスピース矯正で後悔しないためのポイントをご紹介します。
- マウスピース矯正が向いているか歯科医師に相談する
- マウスピースの装着時間を厳守する
- 破損・紛失などのトラブルに対処できるよう準備しておく
マウスピース矯正は、抜歯が必要となる場合や顎の骨に問題がある場合には対応できません。まずは自分がマウスピース矯正の適応症例に含まれるかどうかを、歯科医師に判断してもらう必要があります。
また、装着開始後に自己管理を徹底することも失敗を避けるポイントになります。毎日20時間以上にわたり装着が可能なのか、自問自答することが大切です。
そして、装着後はマウスピースを保管することが求められます。紛失・破損によるリスクを避けるためにも対策を練ることが大切です。
例えば、紛失したときに備えて予備のマウスピース(前回使用したもの)を持ち歩くことや、マウスピースを外したときにケースへの収納を習慣化することなどが挙げられます。
自己管理が基本となりますが、定期的な歯科医師のチェックにより治療計画のずれや口腔トラブルを早期に発見できます。
以上のポイントに注意して、矯正治療後に「止めておけばよかった」と後悔しないようにしましょう。
マウスピース矯正に関するよくある質問
ここでは、マウスピース矯正を考え始めたタイミングで、よくある質問を3つご紹介します。
マウスピース矯正のデメリットも理解した上で理想の歯を目指そう

マウスピース矯正には、一部の症例には対応できない、歯ぎしり癖のある人には適していないなどのデメリットがあります。
さらに、取り外しが自由にできることから紛失や破損のリスクがある、装着時間が長く自己管理が欠かせない、といったデメリットも忘れてはなりません。
しかし、マウスピース矯正はワイヤー矯正に比べて費用が安価なだけでなく、何より人から気づかれにくいという大きなメリットがあります。
マウスピース矯正が適しているかを判断するために、近くの歯科医院で相談してみてはいかがでしょうか。


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